孤高の勉強ノート『チャスポット』

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危険物試験 甲種 | 計算問題 | 理想気体

投稿:2017.01.31


 
 理想気体の状態方程式の式変形を用いて解く問題が危険物取扱試験ではよく出題される。正確に式変形をして答えを導くことが肝心。
 

1-1.理想気体の状態を表す方程式を記憶する

理想気体の状態を表す方程式はあらかじめ記憶しておく。

 PV=nRT

単位を書くと

 P{\rm[Pa]} V{\rm[m^3]} =n{\rm[mol]} {\rm{R}}{\rm[Pa \cdot m^{3} \cdot mol^{-1} \cdot K^{-1}]} T{\rm[K]}

”ピーブイ イコール エヌ アール ティー” と呪文のように記憶する。
 上の式ではRの単位を書いたが、Rは定数であり、ほかの変数の次元を合わせるために設定したものであるため、単位を記載するうえでの重要度は比較的低い。そこで、試験では次のように記載する。

 P{\rm[Pa]} V{\rm[m^3]} =n{\rm[mol]} {\rm{R}} T{\rm[K]}

 気体は、圧力P[Pa] 体積V[m3] 絶対温度T[K] の変数によって、その状態が決められる。着目する気体の物質量n[mol]、数式を成立させる定数である気体定数R[Pa・m3/(mol・K)] これらは、気体の流出入および化学反応によって増減しなければ一定である。
 

1-2. 理想気体の状態方程式の変形

左辺と右辺との両方に変数があるためイメージしにくい。これを分数表記にして比例・反比例関係が視覚的にイメージできるように変形する。

(1)    \begin{equation*} \displaystyle \frac{P{\rm[Pa]} V{\rm[m^3]}}{n{\rm[mol]} {\rm{R}} T{\rm[K]}} = 1 \end{equation*}

 理想気体の状態を表す数式は (1)式 の通りである。圧力や体積、温度のどれが変化しても、ほかの変数が変化して、常に右辺が1となるような関係となっている。この性質を使って、危険物取扱者の計算問題は解くことができる。

  

2. 危険物取扱試験で出題される理想気体の問題例

2-1. 試験問題を一般化

試験では、圧力や温度といった変数には具体的に20Pa、40℃(約313K)といったように具体的な数値が与えられる。しかし、試験準備としては数式に見慣れることが大切である。そこで、変数のまま式変形して、比例・反比例関係に目を慣らしていくことにする。そうすれば応用が利き、自信がつく。
 

2-2. 甲種危険物取扱試験 対策問題

※以下の問題は、試験対策問題集を参考にしながらも、私の頭に入りやすいよう個人的な勉強用として作り変えたものを公開している。詳細は専門書籍を参照にされたい。

 

問. 目の前に気体があり、理想気体とする。圧力は一定の環境におかれてある。
操作により、気体の体積をm倍にしたとき、温度は何倍になっているか。

 

 

解答.

体積と温度が変化しているので、変化前後の体積と温度とをそれぞれ V1 T1 V2 T2 とする。
化学反応は起こっておらず、問題の対象とする系の内外から気体の流出入がないため、nは一定である。
式(1) の右辺が1であることを利用して、操作前後の状態方程式を記載する。

 \displaystyle \frac{P_{1}{\rm[Pa]} V_{1}{\rm[m^3]}}{n_{1}{\rm[mol]} {\rm{R}} T_{1}{\rm[K]}} = 1 = \frac{P_{1}{\rm[Pa]} V_{2}{\rm[m^3]}}{n_{1}{\rm[mol]} {\rm{R}} T_{2}{\rm[K]}}

操作前後の状態方程式の関係は、1を媒介として上式のように記載できる。同じ記号同士を約すると、次式のようにスッキリとする。

 \displaystyle \frac{V_{1}{\rm[m^3]}}{T_{1}{\rm[K]}} = 1 = \frac{V_{2}{\rm[m^3]}}{T_{2}{\rm[K]}}

気体の体積をm倍としているので、V2=mV1 とおける。

 \displaystyle \frac{V_{1}{\rm[m^3]}}{T_{1}{\rm[K]}} = 1 = \frac{mV_{1}{\rm[m^3]}}{T_{2}{\rm[K]}}

同じ記号を約す。

 \displaystyle \frac{1}{T_{1}{\rm[K]}} = 1 = \frac{m}{T_{2}{\rm[K]}}

 T_{2}{\rm[K]} = mT_{1}{\rm[K]}

よって温度はm倍となると解答される。

ここで注意しておきたいのが、温度の単位。状態方程式はSI単位系のケルビン[K]を使う、日本では[℃]が馴染んでいるため、試験問題で40℃などと単位を℃で出題される場合がある。この場合、きちんとケルビン温度に直してから、式に代入して計算すること。℃をケルビン温度になおすには 273.15 を加える。

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