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化学|界面活性剤吸着面積の計算式

投稿:2016.12.02

界面活性剤の界面への吸着面積の計算の仕方をわかりやすく解説する。高校化学、大学初年度の化学の分野で出題される傾向にある。

界面活性剤の吸着面積を計算する

界面活性剤と聞くと、石鹸や洗濯洗剤を思い浮かべます。
界面活性剤は水になじむ部分と油になじむ部分とを、一つの分子内に併せ持つ化学物質です。
前者を親水性、後者を親油性(疎水性)といいます。surfactant

一般的な界面活性剤の模式図。親水基[hydrophilic group]と親油基[organophilic group]とを併せ持ちます。
矛盾する2つの機能を同一分子内に保持するのが界面活性剤の特徴です。

本来水と油とを同じ容器に入れると境界ができて混ざらない(混ざりにくい)のです。
しかし、界面活性剤を添加することにより、境界面がなじんできます。
水に石鹸や洗剤を溶かして油汚れを取り除く原理は、ここにあります。

ではその界面活性剤が水面に浮かんだとき、1分子が水面を占領している面積はどれくらいなものなのでしょうか。

高校化学の学習した範囲で求めることができます。

1. 単分子膜をつくる界面活性剤、1分子の占有面積を求める

1-1. 問題

純度100%の粉末状界面活性剤 S (surfactant)を準備している。
いま、界面活性剤 w[g] を取り、有機溶剤に溶かし、v1 [ml]の溶液を作る。
その溶液から v2[ml] をピペットで取り出し、シャーレに張った水面に滴下する。

水面に界面活性剤 S の単分子膜ができていると仮定し、一分子が水面を占有する面積を式で表せ。
ただし、界面活性剤同士には隙間がないものとする。

なお S1[cm2] Sa[cm2] をそれぞれ、界面活性剤1分子の、単分子膜の吸着面積とする。
また界面活性剤Sのモル質量を M[g/mol]とする。

surfactant_experimentモル質量 M[g/mol]の界面活性剤を w[g]取り、有機溶剤の中に溶かして溶液 v1[ml]をつくる。
それをピペットで採取し、シャーレに張っている水の中へ v2[ml]滴下する。すると、界面活性剤の膜ができる。

1-2. 指針

求めたいのは界面活性剤1分子の占有面積S1である。
S1を既出の文字で表せばよい。
しかし、界面活性剤1分子分の面積S1と水面に吸着した界面活性剤の面積Saとが与えられている。
S1Saとの関係を考えると、吸着界面活性剤の分子数がわかる。
そこで、科学の定数で有名なアボガドロ定数NA[個/mol]を持ち出して、
単分子層を構成している界面活性剤の物質量[mol]との積を取る。
つまり、吸着している界面活性剤の分子数で等式を作る。

surfactants

1-3. 解答例

単分子層を構成している界面活性剤の分子数を数式で表す。
アボガドロ数NAを用いると、(1)式の関係式が成り立っている。

(1)   \begin{equation*} \frac{S_{\rm a}}{S_{\rm 1}}=N_{{\rm A}} \times \left( \verb|amount of surfactants in monolayer| \right) \end{equation*}

単分子層を構成する界面活性剤の物質量[amount of surfactants in monolayer] [mol]をほかの変数を使って表す。

界面活性剤の調製段階の文章から、(2)式のように表せる。

(2)   \begin{equation*} \cfrac{\cfrac{w[{\rm g}]}{M \rm{[g/mol]}}}{v_1{\rm [ml]}} \times v_2{\rm [ml] } \end{equation*}

(2)式を(1)へ代入して(3)式を得る。

(3)   \begin{equation*} \frac{S_{\rm a}}{S_{\rm 1}}=N_{{\rm A}} \times \left( \frac{v_{2}w}{v_{1}M} \right) \end{equation*}

(3)式をS1について整理すると、求めたい数式が得られる。

(4)   \begin{equation*} S_1=\frac{v_{1} M S_{\rm a}}{v_{2} w N_{\rm A}} \end{equation*}

実験的にSaを求めるには、予めシャーレの下に方眼紙を敷いておき、シャーレを上からのぞき、界面活性剤が吸着して色が変わっている領域の面積を読み取る。

以上が解答例である。

1-4. 考察

界面活性剤はその名が示すとおり、交じり合わないお互いの界面を
2成分が交じり合うように活性化させる薬剤のことを云います。

皮膚には脂質が分泌されていますが、石鹸で手をゆすぐと
界面活性剤が皮膚表面の脂質を剥ぎ取ります。

界面活性能が高い界面活性剤ほど脂質を取り除きます。
すると、皮膚が外部刺激から守るためのバリアである脂質が少なすぎるため、
皮膚細胞は傷んでしまいます。

石鹸や洗剤を選ぶときは、
肌に優しい商品を選ぶことが大切です。

1-5. メモランダム


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